
おカネレコ広報担当のKaoriです。
「おカネレコをもっと良くしていくには、何ができるだろう?」
そんな思いを抱えながら、日々チームで試行錯誤しています。
機能の改善やデザインの見直しだけではなく、
私たちが本当に届けたいものは何か?という根っこの部分まで、
立ち止まって考えることもあります。
このブログを読んでくださっている方の中には、
「家計簿アプリって結局、何を変えてくれるの?」
と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
今日は、そんな問いに向き合うなかで、
ある日の社長との会話を通して生まれたひとつの言葉と、
私自身の気づきについて綴ってみようと思います。
「人生はクリエイトできる。」
この言葉が初めて出てきたのは、ある月曜日の定例ミーティングでのことでした。
その日、私は社長にこう伝えました。
「おカネレコを世の中にもっと広めていくためには、これまでの施策や伝え方では限界があると思っています」と。
キャンペーンや広告だけでは、届かないものがある。
私たちは本当に、何を伝えたいのか?
もっと根本に立ち返って、もう一度問い直したい。
そんな思いを抱えながら、切り出しました。
ベンチャーではスピードが大事。
改善、実行、検証。
とにかく早く結果を出すことが大事だと、これまで何度も教わってきました。
「問い直してる場合じゃない。早く改善案を出して、動かないと…。」
そう思っていたので、社長に相談するのに少し戸惑う自分もいました。
でも社長は、その言葉を否定することなく、静かに耳を傾けてくれました。
そして、一緒に考えるために、こんな問いを投げかけてくれたのです。
「おカネレコをもっと好きになってもらうには、何を伝えたらいいだろう?」
「おカネレコを使うことで、ユーザーさんの人生にどんな変化が起こるんだろう?」
その問いをきっかけに、会話は少しずつ深まっていきました。
そして、社長がぽつりぽつりと、自分の体験を話し始めました。
話は、ずいぶん昔にさかのぼります。
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小学校のころ。
理不尽なことが日常にあふれていたこと。
理由もなく怒られ、強制されることに、幼いながらも「おかしい」と感じていたこと。
中学生になって、「こんな社会はきっと変えられる」と信じていたこと。
理不尽のない世界をつくりたいと、本気で市長を目指していたこと。
高校生のとき、アメリカへ移住して、日本を“外から”見るようになったこと。
どこにでも理不尽はあるけれど、そのかたちは文化によって異なることを知ったこと。
そして、日本に帰ってきたとき、
その違いをまざまざと実感し、
「やっぱり、自分が何かを変えていきたい」と思ったこと。
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そうした体験の積み重ねから、社長は「仕組み」に目を向けるようになったそうです。
社会の「あたりまえ」に違和感を覚え、その奥にある構造や前提を疑う。
「そもそもどうなっているのか?」と問い続けることが、いつの間にか習慣になっていた、と。
「世界をまるごと変えるのは難しい。
でも、自分の人生を、自分の手で選び直す、人生をつくることはできるんだ。」
そう語った社長の声は、静かで、でも確かな実感を帯びていました。
「多くの人は、自分が何かを生み出せるなんて思っていないかもしれません。」
私はそう伝えました。
自分もかつて、そうだったからです。
「クリエイターって、生まれつきセンスのある、特別な人のことだと思っていました。」
そんな話をすると、社長は驚いていましたが、
一緒にノートに言葉を残していく中で、自然に生まれたフレーズがありました。
「人生はクリエイトできる。」
その言葉には、社長がなぜこの仕事をしているのか、
なぜおカネレコを12年続けてきたのか。
その根っこにある思考と、願いが、すっと落ち着くように込められているように感じました。
気づけば私は、「人生はクリエイトできる。」を起点に、文章を書いていました。
この言葉は、“理念”ではなく、“実感”だと、はっきりと思えたからです。
そして社長は、完成した文章を読んでこう言いました。
「我々の想いが、ことばになったね。」
これから少しずつ、「人生はクリエイトできる。」という言葉に込めた想いを、
自分たち自身のことばで、伝えていきたいと思っています。
社長が何を見つめ、何をクリエイトしてきたのか。
おカネレコのスタッフたちが、それぞれどんな人生を歩み、
どんな“自分らしさ”をつくり始めているのか。
そして私自身が、ITど素人からスマートアイデアに入り、
この6年間で何に悩み、何に背中を押され、どんな仲間や言葉に出会ってきたのか。
そのすべてが、この言葉の背景にあるものです。
「クリエイターって、生まれつきセンスのある、特別な人のことだと思っていた。」
そんな私ですが、自分にとって意味のあるものを、自分の手でつくること。
その一歩を始めることが、「人生をクリエイトする」ということなのだと今は思っています。
ここに綴る記事が、
“まだうまく言葉にできていないけれど、何かを変えたい”
と感じている誰かにとって、一歩踏み出す材料になったら
うれしいです。