
おカネレコ広報の野口です。
「人生はクリエイトできる。」
前回の記事で紹介したこの言葉は、ある日の社長との会話から生まれたものでした。
でも私は、ふと思ったのです。
「人生をクリエイトするって、具体的にはどういうことなんだろう?」
「それを本気で信じてる社長は、何を考えてるんだろう?」
もっと深く聞いてみたくなって、あらためて、社長に時間をもらいました。
今回は、私が投げかけた6つの問いを軸に、「人生をクリエイトする」ことの意味を、社長の言葉で紐解いていきたいと思います。
Q1. 人生をクリエイトするとは?
最初に、率直に聞いてみました。
「社長にとって、“人生をクリエイトする”って、どういうことですか?」
社長は、少し考えてから話し始めました。
「形にしたいと思ったことや、実現したいと思ったことに向かって努力すること。
自分の人生を信じて、自分で切り開いていくこと。
それが、“人生をクリエイトする”ってことだと思う。」
「ただ、それは“成功すること”とは違う。」
そう前置きしたうえで、こう続けました。
「いわゆる世の中の“成功”――
お金や地位を得るとか、人から評価されるとか――
そういうものを目指す必要はない。
むしろ、“自分は本当にどんな人生を生きたいと思っているのか?”
そこに向き合って、選び取っていくことが大事なんだと思うよ。」
それぞれの人が、それぞれの価値観で、自分の人生の地図を描いていく。
その過程こそが「人生をクリエイトする」ということなのだ、と。
「他人の物差しじゃなく、自分の願いを基準にすること。
そして、その願いに向かって行動し続けること。
その姿勢そのものが、“人生を自分で創っている”ということになるんじゃないかな。」
社長の声は穏やかでしたが、芯の通った熱を感じました。
Q2. 社長は、なぜ人生クリエイターを育てたいのか?
「社長はなぜ、“人生をクリエイトする人”を育てたいのですか?」
そう尋ねた私に、社長はきっぱりとこう言いました。
「“育てたい”というよりも、正直、“みんなできるのに、なんでしないの?”って思っている。なぜ、みんな諦めてるんだろう?
諦めているって、自分で気づいてない人も多いと思うし、
むしろ“気づかないようにしてる”んじゃないかな、って。」
社長の口調は、どこか悔しそうでもありました。
長い年月、多くの人と出会い、話してきた中で、本当は変えたいと思っているのに、どこかで諦めてしまっている、そんな人の背中を何度も見てきたのだと思います。
社長のこの言葉は、とても強い実感に根ざしているのだと思いました。
その一方で、社長の言葉を聞きながら、私はこんなふうにも感じていました。
みんなが“諦めている”わけではないかもしれない。
むしろ、“初めからそんなふうに考えたことすらない”人が多いのかもしれない。
「自分の人生をどう生きたいか?」という問いに出会うきっかけが、そもそもない。
ただ淡々と“今日を生きる”ことに精一杯で、立ち止まる余裕がない。
私自身も、かつてはそうでした。
「自分の人生をどうしたいか?」なんて、考えてきませんでした。
考えても、きっと自分には変えられない、と思っていたからです。
私は初めて、“人生は自分でクリエイトできる”と、はっきり言い切る人に出会ったのだな、とも思いました。
社長の姿勢が、私にはとても新鮮で、まぶしくさえ感じました。
Q3. 社長は、いつからそう思っていたのか?
「“人生を自分でクリエイトする”って、ずっと思っていたのですか?」
そう尋ねると、社長は昔を思い出すように話し始めました。
「サラリーマンをしていたとき、給料もよかったし、仕事も楽しかった。
新しいサービスをつくるチャレンジもさせてもらったし、新しい仕組みを立ち上げることもできた。
それはそれで、すごく恵まれていたと思う。」
でも——と、社長は少し間を置いて続けました。
「どこかで“物足りなさ”を感じていた。
“会社という枠の中でできること”と、“自分が本当にやりたいこと”が違っていた。
私がつくりたかったのは、社会とか人の生活を変えられるようなモノ。
人生を賭けてでも、そういうものをつくりたいという情熱がずっとあった。
でも会社の中では、できることに限界がある。
だから、“自分の人生は自分で切り開かなきゃ”と思うようになった。
それが、“人生をクリエイトする”という感覚のはじまりだったと思う。」
社長は、「若かったからね」と笑っていましたが、そのときの“理想を諦めたくない”という真っ直ぐな気持ちは、今もずっと根底にあるのだと感じました。
サラリーマンとしての安定や成長を手にしながら、あえて“会社という枠”から出るという選択をした社長。
それは、“リスクを取った”というよりも、 “理想を信じ続けた”ということだったのだと思います。
私自身は、どちらかというと、“与えられた枠”のなかでどうやって頑張るか?を考えてきた側の人間なので、「理想を叶えるために枠から出る」という発想は、正直、簡単に真似できるものではないと感じました。
でも同時に、こうも思いました。
「自分の人生を自分で選ぶ」という姿勢は、会社を辞めることじゃなくて、 今の場所であっても、「どう在りたいか?」を選ぶことから始まるのかもしれない、と。
Q4. 未来をクリエイトするには、何が必要?何を持っていたらいい?
「未来をクリエイトするには、何が必要だと思いますか?」
そう尋ねたとき、社長はこう答えました。
「“未来はこうなっていてほしい”という希望と、それに向かう情熱。
それが何よりも大切だと思う。
でも、必ずしも起業家にならなきゃいけないとか、 大きな夢を持たなきゃいけないってことではない。」
そして、社長はこう続けました。
「今いる場所で、一歩だけ踏み出してみる。
100%の力で、本気で、目の前の仕事をやってみる。
それだけでも、景色は変わってくると思ってる。
“変えられるかもしれない”って、思えるようになってくるんだよね。
ちょっとした日常のチャレンジ。
それが積み重なることで、人生の感覚が変わってくる。
たとえば今なら、AIのようにこれまで自分に縁がなかったことでも、 ちょっとずつ使い方を学ぶことで、思いもよらなかったチャンスが開いてくる。」
社長の話を聞きながら、私はひとつ、自分のなかの思い込みに気づきました。
「未来を変えるには、大きな目標を持たなきゃいけない」 どこかで、そう信じ込んでいたのかもしれません。
でも実際の私はというと、未来に対して、そんなにワクワクしていなかったことに気づきました。
過去を振り返るのは得意でしたが、“未来を描く”ということを、ほとんどしてこなかったな、と。
“老後が心配だから、今ちゃんと働かないと”とか、
“迷惑かけないように自立しておかないと”とか、
現実的なシミュレーションはしていたけれど、 そこに“希望”や“情熱”のような前向きな感情は、あまりなかった気がします。
未来を考えるということが、 どこか“我慢”や“備え”のようなイメージで捉えられていた自分にとって、 社長の言う「希望」と「情熱」という言葉は、どこか自分とは遠い世界の話のように感じながらも、「本当は、そういうふうに未来を見ていいのかもしれない」そんな風に思えました。
これまで、自分の未来は“人にできる限り迷惑をかけずに生きていく”ための設計図のように考えていた気がします。
でも、少しずつでも“変えていけるもの”として見ていいなら、 その先に、もっと違う景色があるのかもしれないと思えました。
未来は、「備えるもの」ではなく、「つくっていけるもの」その視点を持つだけで、自分の立ち位置が少し変わる気がしました。
Q5. 未来をクリエイトするには、どんな力?どんな人?どんなスキル?どんなマインドが必要?
「未来をクリエイトするためには、どんな力やマインドが必要だと思いますか?」
そう尋ねると、社長は少し間を置いて、こんなふうに答えました。
「まずは、素直さ。 そして、想像力。
それから、“自分はまだ成長できる”って信じられるかどうか。
そこが、すごく大事だと思う。
作り上げるには、未来を見通す力が必要になる。
ただそれは、占いみたいに予測することじゃなくて、 “今ある現実がどういう仕組みでできているか”を見て、 その仕組みをどう使うか?変えていくことができるか?そう考える頭を持ち続けるということ。それが大事。」
社長の話を聞いて、「未来をつくる」ということが、単なる勢いや理想論ではなく、「現実を見る目」と「その中でどう動くかを考える力」なんだと、改めて感じました。
未来とは、「いきなり遠くにジャンプすること」ではなくて、 「今ある現実の構造を理解し、少しずつ作用を与えていくこと」なのかもしれません。
私はこれまで、“仕組みを見る”という視点を、あまり持っていなかったと思います。
「なんとなくこうなっているから、こうする」
「みんながこうしているから、自分もそうする」
そうやって無意識に選んできた選択が、たくさんある気がしました。
でも、社長の言う「仕組みを見る力」は、 そういう“当たり前”の奥にあるものに、ちゃんと目を向けること。
そして、「本当にそれでいいのか?」「変えられるとしたらどこか?」と問い続けること。
それは簡単なことではないけれど、 ほんの少しだけでもそういう“考え方”を持てたら、
未来の見え方はきっと変わっていく。
「素直さ」も、「想像力」も、「自分はまだ成長できる」という感覚も、
特別なスキルじゃなくて、ふとしたきっかけで芽生えるものかもしれない。
そう思えたことで、私にとって「未来をつくる」ということが、 少しだけ身近なものになりました。
Q6. 未来をクリエイトするには、何を捨てたらいい?
「じゃあ逆に、“未来をクリエイトする”ためには、何を捨てたらいいと思いますか?」
そう聞くと、社長はこう答えてくれました。
「“自分を守ろうとすること”。
それを手放せたら、大きく変わると思う。
リスクを取るって、怖いことのように思われてるけど、実は、“リスクだと思い込んでること”の多くは、たいしたことじゃない。」
たとえば——と、社長は続けました。
「有休をとって、前からやってみたかったことにチャレンジしてみる。
それって、気は引けるかもしれないけど、実際には何の問題もない。
誰にも迷惑をかけていないし、まったくノーリスクだよ。」
たしかに、社長の言うように、“やってみたい”と思っていることがあっても、
「今のままが無難だし」「誰かにどう思われるか心配だし」と、
行動に移す前に、自分の中で“やらない理由”をつくってしまうことがある。
私もそういうタイプです。
だから、「守ってるつもりで、自分の可能性を縮めてることって、実は多いのかもしれない」 という社長の言葉は、ちょっと耳が痛くて、でもすごく腑に落ちました。
自分を守ろうとしすぎて、身動きが取れなくなること。
本当は、もっと自由に選んでもいいはずなのに、 「失敗したらどうしよう」と考えすぎて、動けなくなること。
未来をクリエイトするには、「大胆な一歩」が必要なんじゃなくて、「これは本当に“リスク”なんだろうか?」と一度立ち止まって考えてみること。
その感覚を持てるだけで、ずいぶん世界の見え方が変わってくる気がしました。
そして、仮に少しの失敗があったとしても、それによって何かが大きく壊れてしまうわけじゃない。
むしろ、「やってみた」という経験自体が、未来の自分にとっては大きな財産になるはずです。
「自分の人生を生きる」という問いから始めてみる
「人生をクリエイトする」というのは、特別な誰かの話ではなく、
今いる場所で、今の自分にできる選択をしていくこと。
自分の願いを少しずつ思い出しながら、 ほんの一歩でも、前に進んでみること。
大きなことじゃなくていい。
でも、確かに、自分の人生は、自分のものなんだと。
そんなふうに思えた今回の対話でした。
あなたは、「自分の人生をどう生きたいか?」
そう問われたら、何と答えるでしょうか。
すぐに答えが出なくても、大丈夫です。
ただ、「そんな問いを持ってもいいんだ」と思えるだけで、未来の見え方は、きっと少し変わってきます。
私も、まだまだ道の途中です。一緒に、すこしずつでも、歩いていけたら嬉しいです。