
こんにちは。おカネレコ広報の野口です。
これまで私は、社長の言葉や考えを引き出して紹介する「人生クリエイト」に関する記事をいくつか書いてきました。
今回の記事は、少し違います。
“誰かの言葉を伝える”のではなく、おカネレコで働く中で、自分自身が感じてきたことや気づいたことを、はじめて言葉にしてみようと思っています。
カスタマーサポート対応やプロジェクトの進行など、日々の業務を通じて、ときに悩みながらも少しずつ変化してきた、ものの見方や捉え方。
その中でも今日は、ずっと距離を感じていた「成長」という言葉と、少しずつ関係が変わってきた過程について、書いてみたいと思います。
「成長」という言葉がプレッシャーだった時期
私が「成長」という言葉に距離を感じるようになったのは、入社して間もない頃のことでした。
当時のおカネレコは、ユーザーの皆さんに支えられながらも、社内ではなかなか成果が見えにくく、メンバーが次々に辞めていく不安定な時期でもありました。
そんな中で、社長からよくかけられたのが「もっと成長してほしい」という言葉。
もちろん、それは期待を込めた声だったと今なら思えます。
けれど、当時の私には「まだ足りない」「もっと頑張れ」と突きつけられているように聞こえてしまい、心に重くのしかかっていました。
あるとき、思わず社長に言ってしまったことを覚えています。
「私は、“成長”という言葉が嫌いです」
学校給食の栄養士からIT業界へ
私のキャリアは、学校給食の栄養士から始まりました。
栄養バランスを考えた献立づくり、食育の授業、厨房の衛生管理、スタッフへの指導など、子どもたちの健康を支える仕事に大きなやりがいを感じていました。
当時の私は、「専門的な知識と責任感で任務を全うする」ことを自分の役割だと思っていて、チームでの連携や誰かと何かを作り上げるような働き方とは、少し違うものだと感じていました。
でも今振り返ると、決してそうではなかったなと思います。
食育も、現場も、全部「誰かと一緒に創る」仕事でした。
ただ、当時の自分は“個人の責任でやり遂げること”に強く意識が向いていたのだと思います。
そんな私がIT業界に飛び込んだのは、ライフスタイルの変化とともに「お金のこと」が気になり始めた時期でした。
当時ユーザーとして使っていた「おカネレコ」アプリ内で偶然見つけたスタッフ募集。
興味はあるけれど未経験――そんな迷いを抱えながらも、「これは動くチャンスかもしれない」と思い、応募。
ご縁があって、「おカネレコ」アプリを開発するスマートアイデアに入社することになりました。
最初の担当はカスタマーサポート。
ユーザーさんの声を受け取り、アプリのことを徹底的に学ぶ日々。
少しずつ慣れてきたタイミングで、社長から「広報をやってみない?」という話をもらいました。
広報で知った「発信の力」
広報は、会社の“顔”として社会にメッセージを届ける仕事。
人との関わりに不安があった私にとって、かなりの挑戦でした。
「自分には無理です」と社長に伝えたのは、記憶している限りで3回。
それでも社長は、外部のベテランの広報の方を紹介してくださり、一から学べる機会をつくってくれました。
プレスリリースの書き方やメディア対応、言葉選びの繊細さ、社会との接点の持ち方。
ひとつひとつが初めてで、迷いながらも取り組む中で印象に残っているのが「調査リリース」です。
社内のデータをもとに、社会的意義のあるストーリーを構成する。
最初は「難しいし、苦手だな…」と感じていたこの仕事で、初めてメディアからの取材が入った瞬間の感動は、今でも忘れられません。
自分たちは何を解決しようとしているのか?
社会とどう関わっているのか?
あらためて、自分たちの活動の意味を問い直す経験になりました。
発信して初めて、自分たちの価値が見えてくる。
発信には、発信してみてこそ見える意味がある。
それは、広報という立場ならではの気づきだったと思います。
PMで実感した「内側の共有」
「自分の状態を共有することの大切さ」に気づいたのは、プロジェクトマネジメントに関わるようになってからです。
関わる人ごとに役割も視点も違うこと。
誰かにとっては順調でも、別の誰かにとっては不安でいっぱいかもしれない。
以前の私は、自分の迷いや違和感をうまく言語化できず、「とにかく任されたことをやりきる」ことを最優先にしていました。
だからこそ、あの頃の「もっと成長してほしい」という社長の言葉が、強いプレッシャーとして響いていたのだと思います。
でも今は、「今ここでこう感じています」「ここがまだ不安です」と言葉にすることで、周囲との距離が縮まり、前に進めることを実感しています。
同じ「成長してほしい」でも、今の私には「ここを一緒に高めていこう」というメッセージとして聞こえるようになりました。
成長の定義を置き直す
学校給食の栄養士からIT業界へ。
そして、広報やPMという立場で「人と関わる」「言葉を届ける」経験を重ねる中で、私にとっての“成長”の意味は、少しずつ変化していきました。
成長とは、外からの評価を得ることだけではない。
自分の状態を共有し、相手と一緒に前に進もうとすることでもある。
「成長」という言葉に引っかかりがあるなら、その違和感に一度立ち止まってみてもいいのだと思います。
納得できるまで考え、いま感じていることを自分の言葉にして、ときには苦しさごと受け入れてみる。
受け入れようとするその姿勢が、もう成長の一歩なのだと思います。
私にとっての「成長」は、誰かの正解を当てることではなく、自分の速度で意味をかみ砕いていくことです。
「何が嫌なのか」
「では、どう受け取るのか」
その往復を重ねながら、私たちは前に進めるのだと思います。
成長とは、その往復をやめないことかもしれません。
今、「成長」という言葉にプレッシャーを感じている人がいたら。
その言葉を、自分の中で一度置き直してみてもいいのかもしれません。
私にとっての「成長」=________。