「おカネレコを12年続けている理由」——“定義できないもの”と向き合い続けること

“家計簿アプリは儲からない” それでも12年、なぜ?

おカネレコ広報の野口です。

「家計簿アプリって、正直、儲からないんです。」

そんな、社長の一言から始まった今回のインタビュー。
なぜ、そこまでしておカネレコを続けようと思うのか?
率直に社長に尋ねてみました。

今の時代、ビジネスはスピード勝負。
短期で成果を求められることも多い中で、「定義しきれない価値」を信じ、曖昧で報われづらい道を選び続ける人がいます。

この記事では、社長が12年間おカネレコを続けてきた「理由」と、その奥にある「譲れない何か」をたどっていきます。

———-

やめようと思ったこともあった

社長に、12年間の中で「おカネレコの開発を辞めようと思ったことは?」と聞いたとき、少し考えてから、こんなふうに答えてくれました。

社長:
“辞めたいな”と思う瞬間は、たくさんあったよ。でも、“本気で辞めよう”と思ったことはないよ。

社長は穏やかに答えてくれましたが、その裏には積み重ねた苦悩と揺らぎがありました。

利用者数が増え、100万人・200万人という数字を達成しても、収益がついてこなかった。
資本力のある競合が出てきて、家計簿アプリはほとんど無料で使えるのが当たり前になっていた。

社長:
アプリの世界で成功するには“2段階ヒット”が必要なんだよね。
最初はユーザー数が爆発的に伸びること。
そして、その先に“お金を払っても使いたい”というユーザーがいて、ビジネスとしても伸びる。
多くのサービスは1段階目で止まってしまう。

実際、おカネレコも1段階目までは成功していました。
でも、2段階目を超えるのは難しい。
そんなとき、ふと頭によぎるのが「もう、やめようかな」という思いでした。
けれど、そのたびに社長を引き留めたのはおカネレコを使ってくださっているユーザーさんの声でした。

社長:
インタビューで、“本当に助かってます”って言ってくれる人がいる。その人たちを裏切れないと思った。

そしてもうひとつの転機は、「うまくいかなかったチーム」との経験でした。

社長:
本気で社会を変える事業なんだと、私はチームに伝えきれていなかった。
今からちょうど5年前くらいだよね。
あの時期は、前に進めない感覚が強かった。

「定義できない価値」を信じていた

家計簿の事業は、“成果が数値化しづらい領域”です。
社長が初期に注目していた「家計簿・運動・タスク管理」は、いずれも“難定義問題”。
つまり、明確な正解がなく、人によって意味や価値が揺らぐ領域です。

社長:
だからこそ、人間にとって永遠のテーマが残っていると思った。
これなら、長くやる意味があると思ったんだ。

あるとき、街で見かけたひとりのユーザーが、社長の胸に残っています。

社長:
全然知らない人がおカネレコを開いているのを見つけたとき、泣きそうになった。
自分とは無関係な人が、日常の中で使ってくれている。
その瞬間、報われた気がした。

“これがあれば、人生が変わる”とは言えない。
でも、“このツールがあったから、自分と向き合えた”というユーザーさんが実際にいる。
それは、「お金の管理」という枠を超えて、「人生との向き合い方」そのものに寄り添ってきた証なのかもしれません。

社長:
うまく言語化はできないけれど、やっててよかったと思う瞬間は確かにある。
“違和感がなかった”という感覚が近いかもしれない。

最初に思い描いていた“理想”

社長が最初に思い描いていた“理想”は、今の現実とどう違っていたのでしょうか?
その問いに、社長はこう答えました。

社長:
iPhoneが出始めて、いろんなアプリが登場していた時代、私は“どこで勝負したいか”を真剣に考えた。
人間にとって本質的な課題が残る領域に挑もうと決めたんだ。
考えた結果、出てきたのは『家計簿』『運動』『タスク管理』の3つの領域だった。

この3つに共通するのは、「難定義問題」であること。
明確な正解がなく、人によって意味や価値が揺れる。
だからこそ、永遠のテーマが残っている領域でもある。

社長:
解決した“風”にはできるけど、実際にはその人の生き方や価値観によって、答えが変わる。だからこそ、やりがいがあるし、ずっと関わり続ける意味があると思ったんだ。

そして、少し話が逸れるけれど──と前置きして、社長はこんな話もしてくれました。

社長:
アプリって、無料だから使うっていう人も多いと思う。
でも、その裏には、作ってる人や運営してる人の生活がある。
軽く書いたコメントに、悲しい思いをしてる人がいるってことも、少し想像してもらえたら嬉しい。

だからこそ、自分たちが作る意味があるプロダクトを信じたい。

社長:
家計簿って、やればやるほど大事な領域だと思っている。
お金がないからって、人生の可能性を諦めてしまっている人がたくさんいる。
でも本当は、もっと自分の人生をクリエイトできる。
その“できるかもしれない”を、地道に育てるのが家計簿だと思う。

それでも「おカネレコをやっている意味」

社長にとって、おカネレコとは何なのでしょうか?

社長:
子どものような存在だね。
がんばっているのを見ると誇らしいし、思い通りにいかないと歯がゆくもなる。12年たつと、小学6年生でしょう?
まだまだ成長の余地があるよね。

歴史好きの社長が語る“お金”の話には、哲学すら感じます。

社長:
人間は2000年以上、インフレに悩まされ続けてきた。
ローマ帝国の時代からずっと同じ課題を繰り返している。
でも私は、今こそそれを乗り越えるべきだと思ってるよ。

家計簿は地味だけど、人間の愚かさや不安と向き合うもの。
不安がなくなれば、人は暴走しない。
だから私は、家計簿が“人生をクリエイトする”助けになると、本気で思っているんだ。

ユーザーさんの中には、人生が変わったと感じている人もいる。

社長:
“私なんて自信がなくて…”って言いながら、しっかりお金を見て、計画を立てて、前に進んでいる。
まさに“人生をクリエイトしてる”と思っているよ。

誰かの人生を変えることができたと感じますか?と聞いてみると、こんなふうに答えてくれました。

社長:
野口さんの人生は変えたかもしれないよね。
おカネレコに応募して、そこから6年間でいろんなことを吸収して、今の姿がある。
6年前は“元栄養士で、学校給食を作っていました”って聞いたら、みんな驚くよね(笑)。

続けることが「証」になる

社長にとって、おカネレコを続けてきた12年間は、「何かを証明したい」時間だったのではないかと思います。

それは、すぐに評価されないもの。はっきり言葉にできないもの。
でも、“確かにそこにあるもの”を信じて、形にしようとしてきた。

人生の中でこれだけたくさんの人たちが使ってくれるサービスをやることなんて、ほとんどできない。

だから、今日もまた問い続けます。

「おカネレコは、本当にこれでいいのか?」
「もっと良くできるところはないか?」

正解のない問いと向き合い続けること。
それこそが、「人生をクリエイトする」ということの、原点なのかもしれません。

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