資産形成を始めよう!FPだからこそお話できる将来の不安をなくす方法とは

会計事務所勤務を経て、FPとして活躍する田中友加さんに資産形成の基本的な考え方をおうかがいしました。iDeCoやNISA、バランスよく運用する方法や、初心者向けのおすすめの投資の始め方、効果的なキャッシュフロー表の作り方など、わかりやすく説明していただきます。

*このコラムは、FP田中友加さんにお話をうかかがい、おカネレコ事務局がまとめたものです。

10年近く会計事務所に勤め、たくさんの中小企業、個人事業主の方を担当してきました。いろいろとお話していくうちに、税務のことだけではなく、個人的な年金や保険のことなども相談されることもたくさんありました。

でも、会計事務所のスタッフの立場では、お答えできることには限りがあります。専門外のことだったり、立場的に管轄外のことにタッチできない場合も出てきます。

そういったなか、お金に関する幅広い情報を扱うファイナンシャル・プランナー(FP)なら、お客様のニーズに合わせて、お金のことをトータルでアドバイスできることを知ったのです。そこからFP資格取得を目指して、私の勉強が始まりました。

お客様の相談に乗るFP田中友加さん写真

FP相談において、お客様からの質問は多岐にわたります。最初は教育費や住宅ローン、資産運用の相談からスタートしても、話しているうちに違う話題が出てくることもあります。

「そういえば、保険も見直したい」と言われれば、それぞれのライフステージによってどのような保障が必要なのかといった保険選びの考え方をお伝えし、保険の見直しについて相談に乗ります。また、「自分の相続時に子どもたちが揉めないか心配」という話になれば、土地や建物など相続の対象となる資産の内容によっては不動産などの知識も必要になってきます。

それらすべてのことをカバーして、お答えしていくのがFPという仕事です。

会計や税務も専門的かつ奥が深い分野で、会計事務所スタッフとしての仕事はやりがいがありました。でも今は、お客様がどのライフステージにいても、そのときどきに合わせたリスク管理についてアドバイスできます。お客様とより深くコミットできる手ごたえがあり、人生全般に関われていると感じています。仕事が楽しいと、さらに実感できるようになりました。

物価高にローンの金利、老後の年金問題、お金のことは人生を通じてついて回ります。
今日は将来の不安をなくすために、私の考えるみなさんにおすすめしたい資産形成について、お話したいと思います。

自分で将来の年金を作れるiDeCoとメリット拡大の新制度が話題のNISA バランスよく

iDeCoとNISAのイメージ写真

iDeCo(個人型確定拠出型年金)は、運用益に通常かかる20.315%の税金が非課税となるだけでなく、掛金の全額を所得控除できます。掛金には上限額がありますが、控除額が大きいほど、課税所得を小さくでき、住民税などにも影響してきます。つまり、資産形成しながら節税になるんですね。

ただし、60歳まではおろせないのが注意ポイントです。ライフステージのどのタイミングでどれだけお金がかかるのかを考えながら、掛けていく必要があります。

NISAは所得控除の対象ではないですが、資産形成の面でおすすめです。

現行の一般NISAでは、株式や投資信託などを年間120万円まで購入でき、最長5年間非課税で保有できます。つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最長20年間非課税で保有可能です。どちらも、運用益に通常かかる20.315%の税金が非課税なのが魅力です。

さらに2024年から始まる新しいNISA制度では、今までどちらか一つを選択しなければならなかった一般NISAとつみたてNISAの併用ができるようになります。それぞれの年間投資額の上限も引き上げられ、年間最大360万円の投資ができるようになり、さらに非課税で保有できる期間の上限がなくなります。ただし、非課税で保有できる額は生涯で1,800万円という上限がつきました。

<現行のNISA>

  • 一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶ
  • 一般NISA:年間120万円、最長5年間
  • つみたてNISA:年間40万円、最長20年間

<2024年から始まる新NISA>

  • 一般NISAとつみたてNISAの併用可能
  • 一般NISA(成長投資枠):年間240万円
  • つみたてNISA(つみたて投資枠):年間120万円
  • どちらも非課税保有期間は無期限化、生涯投資額は合計1,800万円まで
  • 非課税で保有できる生涯投資額の1,800万円は、枠の再利用が可能

新しいNISA制度では、現行のNISAで利用している分は別枠扱いです。2024年にゼロから始められますので、まだ始めてない方は、今年中に現行NISAを始めると、生涯投資額の1,800万円を超えて投資ができるためお得です。
2023年中に一般NISAで120万円と投資を行うと、来年から始まる新NISAの生涯投資額の上限1,800万円と合計して、1,920万円の投資ができるということです。

また、生涯投資額1,800万円のしばりはあるものの、年間投資額の上限が引き上げられたことによりこんなメリットも。資金に余裕がある人は短期で1,800万円満額投資、長期の積立てで資産形成を狙う人は抑えめの金額をこつこつ投資など、それぞれの状況に合わせてプランをたてやすくなったのです。

<プランがたてやすく>

  • 360万円×5年間=1,800万円 早めに上限いっぱいまで投資して、長く運用
  • 月々、家計に無理のない金額を長い期間で積立てる
    など、それぞれの家庭の状況に合わせた投資が選べる

iDeCo、NISAとも、それぞれにメリットがあります。どちらも先のメリットが見込めるものなので、ぜひやってみることをおすすめします。

ライフプランに合わせて、どこにどのぐらい出資するか、バランスよく決めることが大切です。

将来のための資産形成 難しく考えず少額のNISAから始める手も

少額投資のイメージ写真

若い人ほど、将来の社会保障に不安を感じていらっしゃると思います。就職さえすれば終身雇用で定年まで勤められて、十分な退職金をもらったうえで、老後を安定した年金に支えられるというビジョンを持つ人は少数派になってきているのではないでしょうか。

そういった背景を受けて、今は若い世代、たとえば大学生ぐらいから、家計や資産形成に興味を持っている方が増えている印象があります。2022年4月からは高校家庭科の授業の中で高校生が金融教育を受けることになり、今後はお金に対しての意識が高い若い方がますます増えていくと思われます。

上の世代になるほど、急に国から自助努力で資産形成をしてくれと言われ、戸惑ってしまう方が多いと思います。老後の不安が少なかった時代が終わり、とつぜんはしごを外された気持ちになってしまうかもしれません。

将来の不安を抱えながら、早いうちからお金のことを学ぼうとする若い方も、年金問題に悩む上の世代の方も、FPとしての知識を持ってサポートしたいと考えています。

これから将来に向けて資産運用を始めようという方には、まずNISAをおすすめしたいと思います。とりあえず手数料が低めに設定されているネット証券口座を開くことから始めてみてはいかがでしょう。

いざやろうとすると、どうするのが最適か迷う気持ちから止まってしまう人も多いです。まずは難しく考えずに、月々3千円や5千円など家計の負担にならない金額から積み立ててみることをおすすめします。

3千円~5千円なら、ふつうに暮らしていても、なにに使ったかわからないままなくなる程度の金額ですよね。それを運用に回してみて、まずはどのような値動きをするのかなど経験してみると良いでしょう。その程度の負担のない金額でも、早ければ数か月で効果を感じられることもあります。

初心者の方は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など代表的な株価指数に連動した、インデックス型の投資信託から始めてみると、比較的リスクを抑えることができます。

人生設計に大事なキャッシュフロー表 さらに効果的に作る方法

キャッシュフロー表のイメージ写真
出産や入学などのライフイベントに合わせて金額が書き込んである

キャッシュフロー表をつけてみることも、ぜひおすすめしたいことのひとつ。ライフイベントに合わせて、何歳のときにいくらお金がかかるのかを表にして、将来のお金の流れを把握するためのものです。

将来の不安解消にもなりますし、お金に対する危機感を持つことにもつながります。ライフイベントで何年後にいくら必要か、また老後の資金はいくら貯めたら良いかなど見えてくることで、それに応じた対策ができます。

今のペースでお金を使いながら過ごして大丈夫なのか、貯蓄をするなら月々いくら必要か、などが実感できます。

FP協会のHPには、Excelのキャッシュフロー表があります。好評ですので、使ってみることを勧めます。FP協会「便利ツールで家計をチェック」

キャッシュフロー表は一度作れば安心、というものではありません。ライフステージが変わるタイミングで、何度か書き直してみる方がいいと思います。たとえば、就職、結婚、出産、こどもの進学、住宅の購入時などですね。

状況によって、必要と見込まれるお金は変わってくるものなので、人生の節目に合わせて何パターンか作り直すことが大切です。よりお金というものの理解が進み、お金の流れを把握できるようになるはずです。

定年までのキャッシュフロー表を作られる方はよくいらっしゃいます。できれば定年後、年金を受給し始めてからの分も作ってみた方がいいと思います。

現役世代は、足りなければ仕事を増やすという手段があります。高齢になってからだと、現役時代ほどそうはいかないかもしれません。その分、定年後のお金の流れを考えることは、非常に大事です。

ねんきんネットで将来もらえる年金のシミュレーションができますので、参考になさってください。今の会社に定年まで勤めた場合、何年後かに独立して個人事業主になった場合、早期退職した場合など、いろいろな設定でシミュレーションが可能です。これから先、どのように働いていくのかを決める助けにもなると思います。

便利なツールなどを使って無理なく資産形成

ライフステージに合わせてお金が上下しているイメージ写真

資産形成は、手もとに大きなお金がないとできないというわけではなく、無理のない金額の積立てから始めることができます。また、どこにどのぐらい投資するかのバランスや、将来を見すえて必要なお金を予測して備えることなどが大事です。

ぜひ、キャッシュフロー表や年金のシミュレーションをうまく活用して、先のことを見越した資産形成に取り組んでほしいと思います。
大切なお金のことをみなさんにわかりやすくお伝えするために、私もFPとして発信を続けていきたいと思っています。

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この記事の著者

【マネシル認定コンサルタント】
田中友加 (たなかゆか)

1級FP技能士・日本FP協会認定 CFP®

国産自動車販売会社に新卒で入社。その後、輸入車販売会社に転職。
車が大好きで、レースや自動車販売に携わる仕事を続ける中、33歳の時にふと会計の勉強をしたいと思い立つ。
会計の専門学校に通いながら日商簿記2級、日商簿記1級を取得。簿記資格を取得後、税理士法人にて法人・個人事業のクライアントを担当。会計処理及び税務申告書の作成、経営コンサルティング業に7年間従事。

その後、IT関連の会社を設立。取締役として、財務・会計を担当。並行して、2015年にファイナンシャル・プランナーの資格取得。
2016年11月、ファイナンシャル・プランナー事務所「FPリファイン」を開業、今にいたる。

現在は、個別相談をはじめ、記事の執筆、資産形成やライフプランに関する企業向け研修などを通じてお金に関する情報を発信。また、FP資格取得を目指す人向け対策テキストの制作・編集、模擬試験の作問など手掛ける。

近年はダイバーシティ&インクルージョン(D&I)経営に強い関心を持ち、 ライフプランや資産形成に加え、D&Iに関する研修も行っている。

この記事を執筆いただいた田中友加さんには、お金のプロ、ファイナンシャルプランナーにオンライン相談できるサービス「マネシル」でオンライン相談が可能です。

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