家計の管理ってどうしてる?家計簿から始めよう 値上げ対策にも大きな効果

厳しい値上げが続くなか、家計管理の必要性を感じている方も多いのではないでしょうか。どこから手をつけていいのかわからない!というあなた。まずは、家計簿から始めてみることをおすすめいたします。その効果は絶大。簡単に続けられる家計簿のコツを解説します。

初めに、家計の管理とはなんのためにするのか考えてみましょう。

「無駄な出費を削りたい」
「貯金を増やしたい」
「今のままで大丈夫かという不安を解消したい」

そんな目的を持っている方がほとんどだと思います。つまり、家計の見直し、改善です。

見直しには、今のお金の流れを把握することが必要不可欠。収入はいくらで、何にどのくらいお金を使っているのか…わからないままではなんの対策も打てません。

現状把握には家計簿をつけるのが一番です。初めはおおざっぱでも問題ありません。出ていくお金、入ってくるお金をざっくりとでもつけてみて下さい。必ず問題点、改善点が見えてきます。

家計簿で収支と支出を把握した上に、効果的な家計の見直し・対策や計画が乗っている図と、収支がよくわからない・なんとなく使っている上に、対策がたてられない状況が乗っている図

家づくりに例えると、家計簿は、家の基礎・土台に似ています。土台なくして、良い家を建てることはできません。しっかりとした土台(=明確な現状把握)を作れば、その上には素晴らしい家(=工夫されたスッキリとした家計)が建つでしょう。

今は収支を自動で計算してくれる家計簿アプリがありますから、家計簿を始めるハードルはグッと低くなっているはず。スマホで手軽に操作でき、すき間時間でも簡単につけられます。

そもそも「家計」とは?

家計とは、家庭における経済生活のやりくり全般のことを言います。具体的には、収入と支出のバランスを見ながら、家庭を維持していくことですね。

うまくいかない場合を、「家計が苦しい」「家計が火の車」などと表現します。上手に家計を管理できれば、収入(所得)の範囲でうまく暮らしていけることになります。

支出のうち、食費や住居費、医療費など、生活を維持するために使われるお金を消費支出と言います。税金や社会保険料など、消費を目的としない支出は非消費支出です。

貯蓄=収入-支出

すべての支出(消費支出+非消費支出)より収入(所得)の方が大きければ、その差額は貯蓄となり、預貯金や投資などに回るというわけです。

まず家計簿をつけることから始めよう

収入の範囲でうまく暮らし、貯蓄に回す割合をなるべく多くしたいと誰もが思うことでしょう。そのためには、まず家計簿をつけることが大切です。

先に述べたように、家計簿は家計管理の土台です。あまり難しく考えずに、現状のお金の流れをありのままに記録してみることから始めましょう。何にどのくらい使っているかがわかれば、先の計画が立てられるようになります。

景気の先行きが不透明な今、長期的なマネープランを作るのはとても大切です。
マネープランとは、人生を通じて必要なお金の計画のことです。結婚や出産、マイホーム購入、または退職や老後など、将来の目標やライフイベントに合わせて計画を立てていきます。

目先のお金のあるなしではなく、先々まで見越した計画がマネープランなのです。

今あるお金を全部使ってしまわずに、将来に向けて貯蓄する。先の見通しを立て、足りなくなりそうなお金があれば、早めに投資や運用など増やす手段を考える。未来を見据えて計画を練ってみましょう。

マネープランを立てるにあたり、収入と支出の状況を知るのは欠かせない要素です。まずは家計簿でしっかりと現状把握。そのうえで、教育費がかさむ時期や老後などに備え、安定した家計を営めるよう、安心できるマネープランを組んでおきましょう。

マネープランの整理が、ライフプランの整理につながる

マネープランと似た言葉に、ライフプランというものがあります。
ライフプランとは、人生のどのタイミングで大きなイベントを迎えるかを計画していくことです。

例えば、結婚や出産、持ち家の購入。リタイアや転職、独立の時期を計画に入れる人もいるでしょう。それぞれのタイミングで、実現に必要なお金が見えてくるはずです。

マネープランは、収入、支出、貯金や投資など、お金全般について具体的に計画立てをすることです。
支出の検討は、食費や住居費などの生活に欠かせないものだけでなく、交際費や趣味に使うお金なども含めて、まんべんなく考えるようにすると良いでしょう。

どの時期にどのようなライフイベントを迎えるかによって、目指すマネープランも変わってきます。

例)

  • 1年後に結婚→貯蓄に向けてのマネープラン
  • 3年後にこどもが進学予定→教育資金を準備するためのマネープラン
  • 5年後に家を購入したい→頭金を用意するためのマネープラン

またマネープランの検討が、ライフプランの見直しにつながることもあるかもしれません。

例)

  • 予定よりペースよく頭金が貯められている→持ち家購入を前倒しするライフプラン
  • 老後の資金が不安→定年退職後もしばらく働くライフプラン
  • 収入を増やした方が良さそうだ→転職や副業を検討するライフプラン

ライフプランとマネープランは、どちらも人生を考えるうえで大切な助けになるもの。二つを併せて考える必要があります。
それにはまず、家計簿でお金の流れを把握することが必要不可欠です。

家計簿をうまく運用するコツをご紹介します

では、どのように家計簿を使って、より良いマネープラン・ライフプランを立てていけばよいのでしょうか。簡単にできるコツを、具体的にご紹介いたします。

レシートを管理してシンプルに記録

今まで家計簿をつけてこなかった方は、レシートはよく見ずに捨ててしまっていたと思います。レシートをお財布にキープすることから、始めてみましょう。

あとは難しく考えず、保管したレシートを見て使った金額を家計簿に記録するだけ。1日の終わりにやっても良いですし、何日かまとめてでも、週末に一気に記録でもかまいません。

目的は、使ったお金を把握することです。「毎日やらないと!」などと気負いこむ必要はないので、自分に合ったやり方を見つけてみましょう。

レシートが出ないネットでの買い物などは、購入履歴やクレジットカードの明細などからまとめてつけると効率が良いと思います。

貯金の目標金額を決めておく

家計簿を続けるには、モチベーションも大事。いくらお金を貯めたいか、目標額を決めてみましょう。

初めてつける方ほど、「本当に貯金なんてできるかな」と不安に思うかもしれません。でも、家計簿で収入と支出を把握すれば、必ず家計の見直しポイントが見えてくるはずです。家計簿をつけ始めたら、「予想より貯金に回せるようになった!」と感じる方も多いのです。

お金の流れが見えてくると、やるべき貯金額も具体的にわかってくるはず。目標金額を増やしたり減らしたり、見直しも全然OKですので、最初は「なんとなくこのぐらい貯められたらな」程度の設定でも大丈夫です。

やる気を持続させるためにも、ぜひ目標の貯金額を設定してみて下さい。

食材の購入状況を管理し食費の変動を減らす

値上げが続く中、みなさん食費の節約には興味をお持ちだと思います。ここでも家計簿が役に立ちます。

無計画にスーパーに行って、ついつい余計なものまで買ってしまっていませんか。安いから、と多めに購入して、食べきれずにダメにすることもあるかと思います。

例えば、食費は週に○○円にする、一回の買い出しで使うお金は○○円までに収める、という買い物のしかたを試してみてはどうでしょう。使う金額を決めれば、無駄なものを買うのを防げます。○○円までしか使えないという気持ちがあると、冷蔵庫の在庫把握にも敏感になるかもしれません。

毎月の食費が大きく変動しないよう、目標金額内で収めることを一度目指してみましょう。とはいえ、ご家庭の事情はさまざまですから、決めた目標金額の見直しもありです。家計簿に記録して、目標金額が妥当かを検討する材料にして下さい。

ストレスなく気軽につけられるよう身近に家計簿を用意

今まで習慣でなかった家計簿を、いかに楽につけられるようにするかは工夫のしどころです。とにかく身近に用意することをおすすめします。

ノートでしたら、自宅でくつろぐときにすぐ手に取れる場所に筆記用具とともに置いておく。しまい込むと、つけるのが億劫になるかもしれません。

PCやスマホでつける方も、置き場所を工夫するだけで家計簿へのハードルが下がります。PCを立ち上げるのが面倒な方はスマホに統一する、逆に画面の大きいPCの方が良い方は家計簿をつける時間を設けてPC前に必ず座る、など、自分に合ったやり方を見つけてみましょう。

あまり細かく項目を設定しすぎない

家計簿が続かない原因で、最初から完璧を目指して挫折してしまうケースがよく見られます。支出の項目を細かく設定しすぎると、こうなりがちです。

初心者ほど、最初はざっくりとした項目分けをおすすめいたします。

家計簿の目的は、お金の流れを把握すること。そしてその先にある家計の改善です。

まずはおおまかでも収入と支出を把握しないことには、見直しポイントが見えてこないのです。「細かく正確につける」よりも、「継続して流れがわかる」ことの方が大切です。

とりあえずは1か月を目標に。その後2~3か月続けることができれば、かなりはっきりお金の流れが見えてきます。

始めたばかりなら、多少の記入もれは気にせずに。項目もシンプルにしてみて下さい。続けていくうちに、自分に合った項目の設定や予算がわかってきます。そしてそれは本当に人それぞれなので、とりあえず家計簿をつけてみないことにはわからないものです。

継続して家計簿をつけるオススメの方法

さて、実際に家計簿をつけるにあたって、どのような始め方があるのでしょう。
主な家計簿のつけ方はこの3つ。

  1. ノートに手書き
  2. Excelで管理
  3. スマホアプリを利用

それぞれの特徴を紹介しますので、自分がつけやすいスタイルを選びましょう。

手書きノートで家計簿をつける

手書きの家計簿の良さは、手軽に始められて自由度が高いことです。
用意するのは、扱いやすいサイズのノート一冊だけ。書き方も好きな形でかまいません。

文章やイラストが好きな人なら、日記のように使うことも可能。例えば写真のように、月の予算立てをして、カラーペンなどで飾っても楽しいと思います。日々の出費を記入するときにその日のふり返りを一言添えれば、生活記録になるでしょう。

なるべくシンプルにしたい人は、小さなメモ帳に支出を書き出していくだけでもOK。とにかく収入と支出がわかるようにさえなっていれば良い、と考えて、難しく考えずに始めてみましょう。

市販の家計簿ノートを使うのも良いでしょう。あらかじめ基本的な項目を立ててくれていて、書き方の見本もついており、初心者でも始めやすいです。いろんな家計簿ノートが売られていますので、自分に合ったものを探すのも楽しいものです。

手書きは自分で計算する必要はありますが、スタイルの自由さ、始めやすさ、記録の楽しさが魅力です。

Excelで家計簿をつける

表計算ソフトのExcelで家計簿をつけている方も多いと思います。
Excelを利用する良さは、計算を自動でしてくれること。また、手書きよりも修正が簡単です。

使いこなせば日付や項目ごとに必要なデータを抽出するのも可能なので、ふり返りに便利です。またグラフ化すると、よりわかりやすく家計の見直しができるでしょう。

最初にフォーマットを作ってしまえば、そのあとはずっと楽に計算ができます。無料のテンプレートもたくさんありますので、一から自分で作るのはちょっと…という方は利用してみると良いと思います。

ただし、PCをまったく使ったことのない方には、ハードルが高く感じてしまうかもしれません。また、PCの立ち上げが面倒に感じることも。PCを日常的に使う方、基本操作がわかっている方に向いている方法です。

スマホアプリで家計簿をつける

近年の主流は、スマホの家計簿アプリを使う方法です。

無料で始められるものも多く、自動計算はもちろん、さまざまな便利機能が用意されています。アプリは感覚的な使いやすさを追求しているものがほとんど。専門的な知識がなくとも、かなり高度なデータ抽出が楽々できたりします。

手軽さと便利さを兼ね備えていて、気軽に始められるのが魅力です。
手書きノートとExcelの家計簿もそれぞれメリットがありますが、その両方の良いとこ取りをしたのが家計簿アプリと言えるでしょう。

スマホを使っている方なら、一度は家計簿アプリを試してみることをおすすめします。

特に「スマホアプリ」がおすすめな理由

スマホの家計簿アプリの画面例。家計簿アプリおカネレコの電卓のようにシンプルなホーム画面、何にいくら使ったかがわかりやすいグラフ画面、いついくら使ったかのカレンダー画面。

上記3つの方法のうち、特におすすめしたいスマホの家計簿アプリ。
その理由をくわしくご説明いたします。

その場ですぐ支出を入力可能

スマホの家計簿アプリのメリットは、なんといってもその手軽さ
筆記用具もいらず、PCのようにいちいち立ち上げる必要もありません。外出先でもすぐ入力することができます。

例えば、自動販売機で飲み物を買ったなど、レシートが出ない出費もその場で入力してしまえばつけ忘れを防げます。また、カフェで休憩中やちょっとした待ち時間など、すき間時間でお財布のレシート整理をすることも可能です。

共有機能、カード連携などさまざまな機能がある

便利な機能が豊富に備わっているのも、家計簿アプリの良さです。
家族で共有できたり、クレジットカードや銀行口座と連携して使えたり、使いやすい機能があらかじめ用意されているのです。

これらの機能は必ず使わなければいけないわけではなく、必要なものを選んで自分に合う使い方を見つけることができます。シンプルに記録するだけでも、便利機能を使ってお金全般を一括で管理するでも、使い方は自由です。

入力の手間を省くレシート読み取り機能や、データを安全に保管するバックアップ機能など、日々進化しているのもありがたいところ。家計簿のハードルをグッと下げてくれる機能が続々登場しています。

自動計算され、わかりやすいビジュアルで整理がはかどる

入力したものはもちろん自動で計算。合計金額を出すのも簡単です。
項目ごとの出費の抽出もすぐできるので、ふり返りに便利なことは間違いありません。設定を細かくすることで、より詳細なデータの抽出も可能です。

項目ごとにまとめたグラフや、リスト形式の一覧表も、一発ですぐに表示してくれます。いろんな見やすい形でデータを取り出せますので、家計の見直しには最適です。

また、スタンプ機能など、楽しめる要素を取り入れたアプリもあります。例えば、「お金を使わないデー」を作って出費がゼロになった日、または予算内に収まった日にはスタンプを押して、モチベーションを上げるなど、使い方の工夫ができます。

家計の管理は、まず家計簿をつけることからはじめよう

スマホの家計簿アプリおカネレコで入力している様子。

家計簿で家計を管理すれば、見直しにつながります。
見直しができれば、貯蓄に回せるお金も増えます。
そのサイクルをうまく回せば、マネープラン、ライフプランも無理なく上手に立てることができるでしょう。

すべてはまず、家計簿をつけて収入・支出を把握することから。

一番手軽で、メリットの多いスマホ家計簿アプリで、家計簿ライフを始めてみてはいかがでしょうか。お金のこと、将来のこと、安心して計画が立てられる暮らしが始まりますよ。

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