家計簿アプリおカネレコ社長の江尻が、家計について語るシリーズ。日本初の家計簿を作った羽仁もと子さんの言葉から、今も昔も変わらぬ家計の悩みを考察します。お金をコントロールして、自分らしく生きるには?明治時代の羽仁さんの言葉にもヒントが隠れていそうです。
少し前に、AFPというファイナンシャルプランナー資格を取得したおカネレコ代表の江尻です。今回は、少しファイナンシャルプランナーらしいことを書いてみたいと思います。
■「家計簿」とはなにか?
長年、家計簿アプリに携わってきて感じるのですが、家計簿とはなんなのか?意外と知られていません。
なにを買っていくら使ったのかという、いわゆる出納帳は、古代からつけられています。私が大好きな古代ローマ時代、約2000年前でも記録が残っているそうです。ヴェスヴィオ火山の噴火で一瞬にしてなくなった古代都市ポンペイの記録でも、一日当たり、パンやワインをいくらで買ったのかという記録が残っているとのことです。(原典は見つけられていないので、今後探していこうと思っています)
また、映画「武士の家計簿」でも描かれているように、江戸時代に細かく収支を記帳している記録も残っています。
■今の家計簿のルーツは明治時代
現代の日本で使われている家計簿のもとになっているのは、雑誌「婦人之友」を創刊した日本初の女性ジャーナリスト・羽仁もと子さんが発案したもの。明治37年(1904年)のことです。どういったものだったのだろうかと、羽仁さんの原典をさかのぼってみることにしました。そうして見つけた本が「羽仁もと子著作集 第9巻 家事家計篇」です。羽仁さん晩年の文章で、昭和2年に書かれたものにこうあります。
“以前の各家庭の小遣帳といえば、食べ物でもきものでも、何でも一つに並べて書いて、月末に加算して総合計をだすというやり方でしたら、ほんとうに不完全なものでした。”
従来の管理方法では、家計をうまく管理することができないと、課題を感じていたそうです。
“今から二十五年前、それは家庭之友を出して、間もないころのことでした。当時、新聞社新聞社に勤める主人の小遣は月に十二円でした。何もむだづかいする人ではないのに、どうしてもそれが一と月もたない。”
と、明治時代でもいまと変わらないことで悩んでいたようです。現代も、同じような悩みの方がたくさんいるのではないでしょうか?
“ふっとこの家計簿のことを思いついたのです。そうしてそのとき二人でやっていた家庭之友に書きました。それがみなさんが広く使っていてくださる私の『家計簿』でございます。”
カテゴリーごとの割り当て額を記入しておき、毎日出費を記録して家計を管理できる『家計簿』。これが多くの人に受け入れられ、広まっていったそうです。
“よい予算をたてて、収支をこの帳面に毎日欠かさずしるしていれば、完全な指導者と一緒に、家計をとっているのと同じで、少しも心配がないばかりでなく、はっきりと筋道たった家計をとっていることが、日々の大きな楽しみになるものです。”
■おカネレコ社長の思う家計簿
家計簿にはなんの意味があるんですか?と聞かれることがあります。私は家計簿で目指すのは、お金を見える化し、コントロールできるようにすることだと思っています。
家計簿をつけていないと、収支の見える化ができず、コントロールはできません。ファイナンシャルプランナーは、まず最初に「家計簿をつけてください」とお伝えします。現状を把握できないと家計の分析もできず、改善方法をお伝えできないからです。
家計や将来への不安を持ち、やりたいことをやれない方が多くいます。お金をきちんとコントロールし、心の平安を得て、自分らしい人生を生きていく人を増やしていきたい。私はそう思っています。
羽仁さんは、自ら発案の家計簿を「完全な指導者と一緒に、家計をとっているのと同じ」と評しました。家計簿アプリ『おカネレコ』は、家計を一緒に改善していく伴走者でありたい。生活の心配がなくなり、人生の道筋が見えるようになるのをサポートする存在になって行きたいと考えています。
出典 婦人之友社、羽仁もと子著作集 第9巻 家事家計篇、1927
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