土地も住宅メーカーも決まり、いよいよ本格的な家づくりのスタート。大事な間取り決めでポイントになったのは、標準仕様を疑ってみることでした。こだわりたいところは譲らず、後悔しないマイホームを実現するために、ローズ家がくだした決断とは。やって良かった点を大公開です。
わたくしローズの家づくり奮闘記を綴っております。家づくりは、大変ながらも、それ以上に楽しいプロセスでした。ここでの振り返りもつい熱がこもって長くなりがちですが、わかりやすく書けるように気を付けます。個人の価値観などバイアスが入りまくりなところは、ご容赦くださいませ。それでも、どこかのだれかのご参考に、少しでもなれれば嬉しい限りです。
■作りたいのは、「ちょうど良い家」
住宅メーカーも決まり、いよいよ本格的に家づくりの始まりです。
前回のブログ→いよいよ住宅メーカー探し~見落とし注意!盲点になっていた重要なポイントとは?
わが家の家づくりのテーマは「自然素材の家」、そして「家族の好みを反映した家」です。
前者については、私たちがお願いした工務店は自然素材の家を専門としているので、おまかせすればかないます。
問題は後者です。
「家族の好みを反映した家」とは、はたしてどんな家なのでしょうか?
私たち家族は、家をつくる前はマンションに暮らしておりました。長年のマンション暮らしのなかで、「こうだったら良いのに」と思う点はいくつもありました。
これらを、新しいわが家でかなえたい!と強く考えておりました。そうすれば「マンションの延長線上ではない家」が実現できるのではないか、と思いました。
■標準仕様を疑ってみよう!こだわりたいポイントは譲りません
長年のマンション暮らし、そして見聞きした戸建てのよくあるパターンから、わき上がった疑問はこんなところです。
■ 疑問 ■
L・D・Kの区切り方、LD+Kが正解なの? L+DKのほうが良くない?
今もまだまだキッチンは隠すべき場所のようで、マンションでも戸建てでも、ダイニングやリビングから見えなくしている間取りが圧倒的に多いです。
ここには私、納得できませんでした。キッチンって、隠す必要があるの?
ひどく散らかって収拾がつかない、自分でも見たくないようなキッチンって、やはり少数派だと思います。それどころか、キッチンは今や主婦の城ではなく、家族みんなのものだと思うのです。
旦那さんも食事を作るだろうし、こどもだって小学高学年にもなれば家庭科の授業で習った料理を作りたくなるのではないでしょうか。でも、一般的な対面式キッチンだと、何人もで作業するのには不十分。お互いストレスがかかるのではないか、と思います。
またマンション暮らしの時になにより思っていたのは、配膳が不便だということです。キッチンから食卓まで距離があり、飲み物や汁物を運ぶときはかなり気をつけて運ばなければなりません。
もちろん、対面式キッチンには合理性もあります。とくによく言われているのは、料理を作りながらこどもを見られることです。
しかし料理中もこどもを見る必要があるのは、せいぜい小学校に上がるまでではないかと思います。そのわずか数年のためにキッチンの位置を決めてしまうのは、もったいないと感じるのです。
●ローズ家が選んだキッチン+ダイニング
この考えから、わが家では「食事を作る、そして食べる」をひとつの空間にするべく、キッチンとダイニングを同じ空間にしました。
写真はわが家のキッチン&ダイニング。
一体化しているため、スペースが広めに取れました。作ったものはすぐに食卓へ運べるし、おかわりも最短距離でできます。
そしてなによりのメリットは、「作る」と「食べる」が同じカテゴリーになったことで、こどもも自然になにか作るようになったこと。お湯をわかすことから始まり、目玉焼きを作る、シイタケのソテーを作るなど、料理をするようになってきています。
最近は、週末の朝ごはんにスクランブルエッグを作ってくれるようになりました。こどもがはまって、進んで作ってくれています。
●リビングが本当にくつろげるスペースに
キッチンとダイニングがおなじ空間になれば、リビングは別の空間へ。わが家のリビングからは、ダイニングやキッチンは少し見える程度で、全貌は見えません。
わが家のリビングからダイニングを望む写真。
(愛犬レディが2階に上がらないように、階段につけたポリ袋が映っておりますが、ご容赦ください)
食事を終えたら、リビングやその脇にある小さな書斎に移動して、おのおの本を読んだりして好きなように時間を過ごしています。用事があれば、声をかけたらすぐに返事できる近さ。
ダイニングテーブルが見えないと、主婦はリラックスした気分で過ごせることも発見しました。(私だけかもしれませんが…。)
■ 疑問 ■
なぜ階段が家の端にあるの?真ん中でも良くない?
よくある間取りでは、階段は玄関を入ってすぐのところにあったり、壁に沿うように配置されています。近ごろでは「リビング階段」といって、わざわざリビングを回っていくところにつけられた階段もありますが、やはり壁付のものになります。
上の写真にもあるように、わが家は、ダイニング・キッチンとリビングを別々の空間にするために、両者のあいだに階段を設ける設計に自然となりました。家のほぼ真ん中にある階段は、ダイニング・キッチンとリビングを異なる雰囲気の別空間にしてくれているほかに、予想外の効果がありました。
それは階段を回るようにして、こどもと鬼ごっこ遊びができること。こどもも楽しいし、大人も案外、楽しめます(笑)。
さらに、昨年の春から家族に加わった犬のレディが、階段をぐるぐる回るのが大好きなんです!これは嬉しい誤算でした。愛犬が楽しそうにしているのを眺めるのは幸せなものです。
←わたしのこと? byレディ
階段の上は小さな吹き抜けになっているので、そこにある大きな窓から朝は太陽の光が射してきます。レディを迎えてから私(ときどき息子)は1階のソファーベッドで寝ているのですが、気持ちよく目覚めることができます。
■こだわり■
大きい家はいらない。小さすぎる家も不安。ちょうど良いサイズの家が良い
3人家族なので、大きな家はいらないということは最初から決めていました。私たち3人にとってのちょうど良い大きさにこだわり、設計士さんが形にしてくれました。
実際に住んでみると、使わないスペースがなく、足りないスペースもない。本当にちょうど良い大きさになっています。
■こだわり■
1階のトイレ以外、すべて引き戸に
もともとわが家はそれほど大きくありませんが、エアコンを使用しない季節は開け放って、家全体をワン・ルームにできるよう、引き戸を採用しました。
1階は玄関入って時計回りに、書斎、リビング、ダイニング・キッチン、洗面所&浴室があり、トイレ以外すべて開放できます。2階の各部屋も引き戸を開け放って使って、四方に視線が抜けるようにしています。
家全体がワンルームになっているので、コンパクトサイズですが、狭苦しく感じません。
■こだわり■
2階個室には収納なしで、家族共用のウォークインクローゼットを用意
1階は部屋ごとに収納するものが違うので、サッと収納できるスペースをそれぞれに設けました。でも、寝室のある2階には、共用のウォークインクローゼットのみ。
引っ越して3年、この方式がすごく良いと感じています。
マンション時代の経験から、寝室ごとに収納を設けるとバランスがよくないと感じていました。きれいに整理整頓する人、まったくしない人、また収納スペースが足りず洋服があふれだす人、逆に洋服が少なすぎてクローゼットが空いてしまう人と、それぞれだからです。
わが家のウォークインクローゼットは、5帖ほどの大きさで、家族全員分の洋服がすっきり収納できます。ぞれぞれの収納スペースが決まっていて、洗濯物の収納もしやすく、また着替えのときもあわてません。
寝具だけある寝室も、散らかることはありません。
■こだわり■
オプションをつけるなら建物本体に きれいに見せるためのオプションは最小限に
自然素材の家は、どうしても通常より少し費用がふくらんでしまいます。予算オーバーを避けるために、「基本性能を維持しながら、シンプルな家を作る。オプションをなるべくつけない」を心がけました。そして、どうしてもこだわりたいところだけ、オプションをつけました。
私たちがつけたオプションは、
- 家の断熱材を、防虫や湿度調整の効果のある「セルロースファイバー」にすること
- ウッドデッキの材料を、より長持ちするものにアップグレードすること
- 急な雨でも洗濯物がぬれないように、屋根を延ばして2階のベランダに軒をつけること
- 地震対策のため、食器棚、本棚を作りつけにすること
- シャッターを電動にすること
などでした。
●セルロースファイバーを選んで良かったこと
余談ですが、セルロースファイバーは粉砕された新聞紙が主な原材料で、人体には無害のホウ酸系の化合物を加えて、難燃処理が施されている材料です。ホウ酸系なので、防虫効果があるとされています。
マンション時代には、夏は蚊の対策に悩まされていたのですが、今の家に引っ越して3年、家族全員、まだ一度も家の中で蚊に刺されていないのです。もちろん、蚊取り線香などの対策を一切しなくなりました。
ほかの害虫も、たまにドアを開けたすきに家に入ってくることがありますが、だいたい室内まで上がることなく、玄関のあたりで衰弱して発見されて放出されています。
また、セルロースファイバーと漆喰の総合効果なのか検証できておりませんが、今の家では切り花の持ちが圧倒的に良くなりました。
これは購入から1週間以上経った菜花です。
野菜の直売所で、だいぶ花が開いて買い手がつかなさそうな菜花を買ってきて、花瓶に差しただけです。まだしばらくは日持ちして、目を楽しませてくれそうです。
●作って良かったベランダの屋根
2階のベランダも、屋根があると急な雨でも落ち着いて帰宅できます。これは、上階があることで、ベランダが雨から守られているマンション暮らしからの知恵。つけたい!と設計士さんに提案したとき、?という顔をされましたが、つけてよかったです(笑)。
■目指すべき家 こだわって作るポイント
一生に一度の家づくり、ぜひこだわって作りたいものです。設計士さんに難色を示されても、建築の品質上の問題がなければ、こだわりたいポイントは譲らずに行きましょう。妥協したら、のちのち後悔するかもしれないのです。
そして作るべき家は、ブランドの家でもなく、かっこいい家でもないと私は思います。「住まう家族にとって、ちょうど良い家」こそが、目指すべき家です。ちょうど良いから肩ひじ張らずに暮らせるし、気持ちよく過ごせて心身ともにリラックスできるのです。
そして最後に、これから家づくりを考えている方にちょっとしたアドバイスを送りたいと思います。
「空気」にこだわった家を作りませんか。
食事にこだわる人が、食べるものや飲むものにこだわるように。また肌が敏感な方が、身につけるものにこだわるように。住まう家の空気にこだわるのが、大切だと思います。食事や飲み水より、空気のほうが圧倒的に体に取り込んでいる量が多いからです。
空気にこだわる家を目指すなら、なるべく化学物質を多く含まない建材を選びましょう。インターネットで情報を集めるのも良いですが、家づくりの本から勉強するのもおすすめです。
値上げラッシュのなか、木材や住宅設備の値上げもすさまじく、家づくりを躊躇している人が多いのではと思います。
迷っている時間を無駄にせず、待ちの時間を活用して、家づくりについて徹底的に学ぶことをおすすめします。自分たちに合った家のイメージをどんどんふくらませて、あきらめずに学んでいけば、きっと満足のいく家を作ることができると信じています。
次回のブログ→家づくりを考える人、必読!注文住宅を建てて3年、後悔・反省していること
最近ワンちゃんも迎えて、ローズ家はますますにぎやかに。
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