将来の不安をゼロに。家計管理で「ずっと食べていける」と思える状態を作るには、3つの力が大事。3つめの力「ふやす」で、資産を着実に伸ばしていきましょう。安全に「ふやす」のに必要な考え方を、家計簿アプリおカネレコ社長がていねいにお教えいたします。
家計簿アプリおカネレコを運営するスマートアイデア代表、ファイナンシャルプランナーの江尻です。
個人的にハマっている「アオアシ」というサッカー漫画の最新刊がすばらしいですね。何度も読んでしまいました。
さて、以前の記事(→こちら)で家計の不安を解消するには、「ずっと食べていける」と思えることが必要。それは、3つの力で実現できることをお伝えしました。
「ずっと食べていける」3つの力
つける
ためる
ふやす
今回は、3番目の「ふやす」力を身につける方法について書いてみたいと思います。「ふやす」力は、先月に比べて今月の資産が増えている状態にすることを言います。
■3つの力 3番目の「ふやす」力の大切さ
資産が増えていく状態を作るのが重要というのは、誰でもわかることかと思います。ただ実際には、「資産増えていってないんだよなー」「増やすってどうしたらいいの?」という方が多いのではないでしょうか?
実は前回の「ためる」力がつけば、毎月貯金ができるようになるため、すでに資産は毎月増えていく状態になっています。それに「ふやす」力をつけることにより、より大幅に増えていく状態にできるのです。
■「ふやす力」というのは、資産が増える知識と経験をつけること
投資は危ない?
資産を増やすのには、投資・運用の勉強が必要です。
いまは預金では増えない時代になっています。また急速に物価上昇が進むなか、まんぜんと貯金していくだけでは資産を増やすのには不十分です。確実に資産を増やすには、投資・運用を行わないといけない時代です。
ただし、投資・運用に危ないイメージを持っている方も多くいらっしゃると思います。確かに正しい知識がないと、リスクの高い行動をしてしまう方も多いです。
株(特に銘柄株)に投資してみたけど、大きく損をしてしまった方。
ビットコインなど暗号資産への投資で億り人が生まれたという話を聞いて、まねてはみたけれど大きく損した方。
このような投資運用は「ギャンブル」になってしまいます。
投資・運用にチャレンジする方は、「リスク」との付き合い方を知ることが一番重要です。
あらゆる金融商品では、リターン(年利)はリスク量と比例するようになっています。
ハイリターンがあるものはハイリスクがあることが前提になっています。ローリスクのものは、ローリターンになるようになっています。
金融商品では、普通預金以外は、かならずリスクはあることは理解しましょう。
投資で「ローリスク・ハイリターン」を提案された場合は、裏に何かあると思っていた方が良いでしょう。また、「ノーリスク」や「元本保証」を提案された場合は特に気をつけましょう。損をしたくないと思っている人が一番騙されてしまう、とよく言われています。
■大切な力「ふやす力」を3つのステップで身につける
「ふやす」では、3つのステップで実現できます。
ステップ1)安定的にふやす投資・運用の基本の法則を知る
ステップ2)知っておくべき2つの基礎知識を知る
ステップ3)iDeco/NISA/つみたてNISA/DCを活用
「ふやす」の力に必要な知識には、内容が難しいものもあります。
今回のブログでは、ステップ1~3の流れをわかりやすくおおまかにご説明いたします。細かい部分は、それぞれ個別にくわしく説明する回を準備したいと考えています。今回ご説明する流れを読んでいただければ、詳細な知識説明のときに理解しやすくなるはずです。
まずは、投資・運用に必要な考え方の流れを見て、出てくる言葉に慣れることが目標ぐらいの気楽な気持ちで読み進めていただければ、と思います。
ステップ1 安定的にふやす投資運用の基本の法則を知る
まずは、投資・運用の基本の法則を知りましょう。安定的に増やす投資・運用には、法則があります。
それは、「長期」「分散」です。
長期-長期的に考え、時間をかけて増やしていくこと。
なぜ長期で考える必要があるか、それは、「複利」「積立」の2つが重要だからです。
「複利」とは、利子に利子がつくこと。たとえば、定期預金で1年預けると元本(最初に預けた金額)に利子がつきますよね。さらに1年預けると、「元金+1年分の利子」の金額に利子がつくのです。
だんだん利子がつく金額が大きくなっていくので、複利ならより増やしやすくなります。
対して「単利」は、当初の元本に対してのみ利子がつきます。長期で預けても、利子がつく金額が大きくなるわけではないので、複利に比べて不利になります。
また、複利に積立を併用することで預ける金額も大きくなっていきます。積立でだんだん増えていく預け金に利子がつき、翌年度はさらに預けたお金に利子を足した金額に利子がつくので、効率よく利子の恩恵を受けられるということです。
(ただし現在、定期預金は利率が非常に悪いため、複利効果は低くなっています。わかりやすく定期預金を例にあげましたが、ここでは複利のメリットだけ理解していただければと思います。)
分散-ひとつの金融商品にしぼらず、資産を分散させて所有すること。
金融商品には、必ず良い時期と悪い時期があります。複数の金融商品を分散させて所有することにより、リスクも分散させることができます。これをポートフォリオを作るとも言います。
ひとつだけの金融商品に資産をつぎ込むと、それが悪くなったときに大損をすることにつながります。複数の金融商品を持っていれば、例えば金融商品Aが悪くなったときでも、金融商品Bが利益を出していれば、差し引きして全体のダメージを緩和できる、といったイメージです。
ステップ2 知っておくべき、2つの投資運用の基礎知識と経験
株式の投資で、「インデックス投資」「ドルコスト平均法」、この2つの投資運用の基礎知識を身につけると、ステップ1の「長期」「分散」が自然とできるようになります。
インデックス投資-株式指数に連動するように作られた投資信託のこと。
幅広く分散投資をするので、初心者にも向いている。
ドルコスト平均法-購入金額を一定に保って買い付けをする購入方法。
価格が低いときには購入量が多くなり、高いときの購入量は少なくなる。
内容は少し難しいので、今回のブログでは言葉だけ覚えていただければ十分です。
どちらも、ステップ1の「長期」「分散」を行うにあたり、有効な運用の仕方です。この2つの基礎知識を持つことで、安定的に増える可能性が高い投資・運用ができるようになります。
「インデックス投資」 「ドルコスト平均法」については、また機会を設けてくわしくご説明したいと思います。
また、不動産投資については違った勉強が必要になりますので、ご注意ください。
ステップ3 NISA/つみたてNISA/iDeco/DCなど税制優遇制度を活用
ステップ1、2を押さえたうえで、税制面で有利な制度を選ぶことで、さらに効果を高めることができます。NISA/つみたてNISA/iDeco/DCなどが選択肢にあがるでしょう。
特に、iDeCo(個人型確定拠出年金)、DC(企業型確定拠出年金)については、所得控除されるという大きなメリットがあります。所得税と住民税の節税効果につながるのです。
また、NISA、つみたてNISAも、分配金や譲渡益が非課税になるというメリットがあります。
それぞれ、メリット・デメリット、控除額の違いなどがあるので、それぞれの特性を別の機会を設けてくわしくご説明したいと思います。
ざっくりと言うと:
いつでも引き出せて、わかりやすい→つみたてNISA
いつでも引き出せて、運用益を非課税にしたい→NISA
所得控除を受け、老後資金を積み立て、老後受け取りたい(個人)→iDeCo
所得控除を受け、老後資金を積み立て、老後受け取りたい(企業内)→DC
上記を組み合わせて、使うこともできます(ただし、控除額の上限等が変わります)。
■まとめ
この3つのステップで、資産が増えていくようにしていきます。前年度と比べて、今年度の資産が2%~4%程度増えていくのが理想的です。
ただし、株式市場などの相場はどうしても良いときと悪いときがあるのが普通です。増えることもあれば、減ることもあります。短期的な増減に一喜一憂するのではなく、長期で3つのステップを踏まえていれば、今までの歴史を見るかぎり、増やしていくことができます。
●ポイント●
- 「ふやす力」は、投資・運用の基本的な知識を身につけること。
- 「ふやす力」でお金の管理を改善し、税制優遇などを活用して効果を高める。
- 「ふやす力」で、毎年の資産増加率2%〜4%を目指せると理想的。
今回は、「ずっと食べていける」と思えるようになる3つの力、3番目の「ふやす力」についてご紹介いたしました。
「ふやす」流れを頭に入れていただき、今回出てきた投資方法や税制優遇制度について、くわしく説明する回に備えていただければと思います。
それでは、ハッピーマネーライフ!
ただし、抜けているところが多く、残念な社長でもある。自分自身が細かいことは苦手なので、ズボラでも残念な人でもハッピーマネーライフが実現できるサービスを目指して、日々がんばっている。
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